洗濯をするときに、洗剤が原因でシミになってしまうことがあるというのをご存知でしょうか?
汚れを落とすために洗剤を使って洗濯をするのに、汚れが落ちるどころかかえって汚れてしまうのでは困ってしまいますよね。
どうしてこのような現象が起こってしまうのでしょう。
今回は洗剤の正しい使い方と、シミができた時の対処の仕方についてご説明させていただきますので、参考にしてみてください。
洗濯用洗剤の成分にはどんなものがある?それぞれの効果とは
では、洗濯用の洗剤には、どんな成分が含まれているのでしょうか?
衣類などの汚れは、水溶性、油性、不溶性の汚れに分類されます。
これらの汚れを落とすために、洗剤には主に下記のような成分が含まれています。
界面活性剤
洗剤の主成分で、衣類に浸透し油分と水を混ざりやすくしたり、一度落ちた汚れが再び衣類につくのを防いだりします。
水軟化剤
水道水に含まれ界面活性剤の働きを妨害する金属イオンと結びつき、水の硬度を下げて洗浄力が低下するのを防ぎます。
酵素
繊維の奥まで入り込んだ、食べ物の油汚れや血液の汚れのようなしつこい汚れを分解し落としやすくします。
蛍光増白剤
黄ばみを防ぎ、白い衣類の白さがより際立つように仕上げます。
アルカリ剤
皮脂に含まれる脂肪酸を変質させ、繊維からはがれやすくします。
漂白剤
色柄物にも使える酸素系の漂白剤で、汚れや色素を分解します。
洗剤によっては必ずしも含まれていない成分もありますが、主に以上の成分により洗濯用洗剤にはさまざまな働きがあり、その効果によって汚れを落とす仕組みになっています。
では、この中のどの成分がシミを作ってしまうのでしょうか?
洗剤でシミができたのはなぜ?原因となる成分は
洗剤によって衣類にシミができた時、その原因となる成分は界面活性剤と考えられます。
以前は洗濯用洗剤といえば粉末の洗剤が主流で、箱も大きく一回の洗濯で使用する量はコップの半分ほども必要とされていました。
ところが最近では液体の洗剤が主流になり、汚れがよく落ちるように高濃度となっています。
界面活性剤の濃度は50%ほどになり、使用する量はかなり少なくて済むようになりました。
しかし、この高濃度の洗剤を原液のまま衣類に直接かけてしまうと、水に溶ける前に繊維に絡んでしまい、シミになってしまうのです。
適切な量を超えての使用も、水に溶けきれなかったりすすぎで洗剤が落ちきれなかったりして、シミの原因となってしまう可能性があります。
ご使用の際には、洗剤のラベルにある説明の使用量をきちんと守って使うことが必要です。
洗剤でシミができた時はどうすればいい?落とし方
では、実際に洗剤でシミができた場合、元通りに落とす方法はあるのでしょうか?
シミの原因となる界面活性剤を衣類から落とすには、シミができた衣類をまずは水でしばらくつけ置きします。
その後は、今度は洗剤を適切な濃度に溶かし再度洗ってみましょう。
洗濯の時に落としきれなかった界面活性剤を衣類から剥がすことができれば、シミは解消されるはずです。
油性のシミには水よりもお湯を使った方が落ちやすくなりますので、40~60℃のお湯を使えば効果的です。
この方法で落ちない場合は、油性である界面活性体に対しアルカリ性の洗剤を使って部分洗いをしてみましょう。
オキシクリーンやセスキ炭酸ソーダはアルカリ性ですので、これらを溶かした洗剤液につけ置きしても、効果が期待できると思います。
シミにならないように洗濯するには?正しい洗剤の使い方
汚れがひどい時など、つい良く落ちるのではないかと思い直接洗剤を原液のまま汚れにかけてしまいがちですが、高濃度の液体洗剤では逆効果になってしまいます。
高濃度の液体洗剤を使用するときはラベルの使用書をよく読んで使用量を守り、洗濯機の洗剤の投入口に洗剤を入れるようにしましょう。
そうすれば、洗濯槽の中に洗剤が水と合わさって流れこみ、原液のまま衣類に直接触れることはありません。
また、洗濯機に衣類を詰め込みすぎても、洗剤がうまく全体に行き渡らず偏りが生じ、一部で濃度が高くなってしまったり、すすぎが充分にできず洗剤が残ってしまったりしてシミの原因となる可能性があります。
ご自宅の洗濯機に対して、正しい洗濯物の容量で洗うよう気をつけましょう。
部分的にひどい汚れがあり、洗濯前に手洗いをしてあらかじめ汚れを落としたいときも、服に洗剤を原液のまま直接かけないように、洗面器等に水を入れ洗剤をよく溶かしてから、汚れているところを手洗いしましょう。
洗濯機に洗剤の投入口がない場合も、衣類を洗濯槽に入れた後に洗剤をそのまま入れてしまわずに、水に溶かしてから入れるようにしてください。
まとめ
近年洗剤はどんどんコンパクトになって、場所を取らずに保管ができるようになり、使用量も少量で済むようになっていますが、そのような変化に伴い使用方法も変わっています。
使い方の変化もきちんと把握して対応しないと、思わぬトラブルに発展する恐れがありますので気をつけましょう。
節水タイプのドラム式の洗濯機も普及していますので、ご自宅の洗濯機のタイプに合った洗剤を選ぶことも必要です。
計量も必要のないジェルボールのような洗剤も近年でていますが、使用方法をよく読み、量や注意事項をしっかりと理解した上で使用しましょう。
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